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2023/09/08

柔道整復師の整骨院・接骨院の開業について、準備や必要なものについて解説

目次

 
(2023年8月加筆・修正)
注意: 本コラムでは「整骨院」と「接骨院」の言葉を使用していますが、これらは同じ意味を持つ言葉として扱われます。どちらの言葉も同じ施術や治療を指すものとしてご理解ください。
 

整骨院開業のながれ

柔道整復師が独立し、整骨院を開業する際の流れは、まず事業計画の立案から始まります。整骨院開業の成功の鍵は、しっかりとした計画とその実行にあります。
 
 

整骨院開業の開業プロセスの基本ステップの概要(例の紹介)

 整骨院の開業には計画的なステップが必要です。
 
開業するための事前準備:施術管理者の必要な条件を確認。整骨院開業を考える際、最も重要なのは「施術管理者」の要件を確認。必要な資格や経験を持っているかを確認しましょう。
 
1ヶ月目:市場調査を行い、ターゲット顧客や競合他社を分析。事業計画書を作成し、ビジョンや目標を明確にする。
 
2ヶ月目:整骨院の開業に必要な資金を計画。初期投資の見積もりや月々の運転資金、資金調達方法を検討。
 
3ヶ月目:物件の選定。アクセスの良さや競合との位置関係を考慮し、内覧や契約交渉を進める。
 
4-5ヶ月目:内装デザインを決定し、医療機器や備品を選定・購入。必要な資格や許可の申請手続きを開始。
 
6ヶ月目:スタッフの募集と研修。広告や宣伝活動の計画を立て、ロゴや看板、ホームページの制作を進める。
 
7-8ヶ月目:整骨院の開業に向けての最終準備。施術の練習や模擬受付、開業日の告知活動。
 
9ヶ月目:整骨院の開業。オープニングイベントを実施し、初日の運営をスタート。
 
10ヶ月目以降:日常業務を開始。顧客のフィードバックを収集し、サービスの改善や広告活動を継続。
 
計画的に進めることで、スムーズな開業を目指しましょう。

 
 

開業のための事業計画・ビジネスプランの作成(事業計画の書き方)

 整骨院の事業計画は、ビジネスの方向性や戦略を明確にするドキュメントです。
 
1. イントロダクション:整骨院事業の概要やミッションを簡潔に記述。
 
2. 事業の目的:中長期的なビジョンや具体的な目標を設定。
 
3. 市場分析:ターゲット市場の特定、競合分析、市場の機会を探る。
 
4. 営業・マーケティング戦略:コンセプト/提供する製品/サービスの特徴、価格戦略、宣伝・広告戦略を概説。
 
5. 組織・管理:組織の構造や主要なメンバーの紹介。
 
6. 財務計画:初期投資、収益予測、キャッシュフロー計画を明記。
 
7. 実行計画:主要なステップや期限、リスク管理の策を列挙。
 
8. 結論:事業計画の要点を再確認し、事業の成功への熱意を伝える。
 
 事業計画は、ビジネスのロードマップとしての役割を果たします。定期的な見直しを行い、変化する市場環境やビジネスの状況に応じてアップデートすることが重要です。
 
 

整骨院開業のための資金計画の立案と資金調達の方法を考える(資金繰りなど)

 開業資金計画は、ビジネスの安定運営のための基盤を築くステップです。
 
1. 初期投資の算出:物件の初期費用、内装・改装、機器・備品の購入、初期在庫、ライセンス取得費などをリストアップ。
 
2. 開業後の月々の運転資金の予測:家賃、光熱費、人件費、材料・在庫費、広告・宣伝費などの固定・変動費を計算。
 
3. 収益予測:整骨院の売上の見込みや利益率を基に、収入と支出のバランスを予測。
 
4. 資金繰り表の作成:月ごとの収入と支出を明記し、資金の流れを確認。資金不足のリスクを事前に検討。
 
5. 資金調達の計画:自己資金、銀行融資、投資家からの出資など、整骨院の開業資金の調達方法を検討。
 
 適切な資金計画は、事業の初期段階での資金繰りをスムーズにし、安定した運営をサポートします。計画を立てる際は、現実的な予測を心掛け、余裕を持った資金設計を目指しましょう。
 
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 整骨院の開業にかかる資金・費用・運転資金はいくら?必要資金の集め方や相場など
 
 
 

整骨院の開業にあたっての物件選びの要点と考慮すべき点(物件選びのポイント)

 整骨院の開業場所選びは、成功の鍵を握る重要なステップです。
 
1. ターゲット顧客の居住エリア:整骨院の主要な顧客層が多く居住・集まるエリアを特定。アクセスの良さを重視し、公共交通や駐車場の利便性を確認。
 
2. 競合との位置関係:整骨院の密集エリアか、未開拓のエリアかを検討。競合が多い場所では、差別化の戦略が必要。
 
3. 物件の広さとコスト:事業内容に合わせた広さを選び、家賃の予算内で最適な物件を探す。
 
4. 周辺環境:治安の良さや、飲食店、銀行などの便利な施設の存在を確認。
 
5. 将来的な拡大の可能性:整骨院の事業拡大時に物件を変更せずに済むよう、拡張性を考慮。
 
6. 物件の設備と条件:基本的な設備が整っているか、契約条件や更新料を確認。
 物件選びは、患者様の利便性やビジネスの成長を考慮して慎重に進めることが求められます。
 
 

開業する整骨院の物件選びの際には、整骨院レイアウトをイメージしておく(設計・工事)

 整骨院のレイアウト設計は、患者の快適性と治療の効率性を両立させるための重要な要素です。以下に、レイアウト設計と工事における主要なポイントをまとめます。
 

1. 患者の流れを考慮

受付エリア:明るく開放的な空間を作り、患者がリラックスできるようにする。
待合室:座席の配置や雑誌、飲み物の提供など、患者の待ち時間を快適に過ごせる工夫を。
診察・治療室:プライバシーを保護し、静かな環境を確保。
 

2. 効率的なスペース利用

 機器やベッドの配置を工夫し、スタッフがスムーズに動けるようにする。
 必要な機器や備品をすぐに取り出せる位置に配置。
 

3. 安全性の確保

 整骨院に来る患者さまのために滑りにくい床材の選定や、段差のない設計。
 緊急時の避難経路や消火器の設置位置を明確にする。
 

4. 患者さまに快適な環境作り

 自然光を取り入れるデザインや、適切な照明の配置。
 温度や湿度を調整できる空調設備の導入。
 

5. 工事の進行管理

 専門の設計士や工事業者との連携を強化し、整骨院開業にあたり計画通りの進行を確認。
 開業日を考慮し、工事のスケジュール管理を徹底。
 整骨院のレイアウト設計・工事は、患者の満足度向上と効率的な業務運営のための基盤となります。患者の視点を常に意識し、快適で安全な空間作りを心掛けましょう。
 
 

開業する整骨院に導入する医療機器と備品の選び方、購入とリースの比較

 医療機器・備品の選定は、整骨院のサービス品質と患者の安全に直結します。その選定と、購入とリースの選択ポイントを以下にまとめます。
 
1. 必要性と頻度の確認
 開業する整骨院にとって、どの機器や備品が必要かを明確にし、使用頻度を検討。
 
2. 安全性と認証
 国の基準や規格に合致しているか、メンテナンスの容易さを確認。
 
3. 使いやすさ
 スタッフの操作性や研修の必要性、機器のサイズやデザインを考慮。
 
4. 信頼性
 メーカーの評価や使用実績を参考に選定。
 
5. 整骨院に導入する医療機器は? 購入 vs リース
購入のメリット:所有権が得られ、長期的にはコストが抑えられる。税制上の優遇措置を受けられる場合も。
購入のデメリット:初期投資が大きい。機器の陳腐化に対応するための追加投資が必要。
リースのメリット:初期投資が少なく、最新の機器を常に使用できる。故障時のサポートが受けられる場合も。
リースのデメリット:長期的にはコストが高くなる可能性。所有権が得られない。
 
 医療機器・備品の選定には、開業する整骨院の事業の規模や予算、将来的な展望を考慮することが重要です。購入とリース、それぞれの選択にはメリット・デメリットがあるため、整骨院の運営方針や資金繰りに合わせて最適な選択を行いましょう。
 
 


 

整骨院開業申請手続き

柔道整復師として整骨院を開業する際には、必要な許可や申請手続きを適切に行うことが求められます。以下に、主要な手続きのポイントをまとめます。
 

1. 施術管理者の確保

 整骨院を開業するためには、施術管理者として認定される資格を持つ者が必要です。
 施術管理者は、整骨院の施術の品質や安全性を担保する役割を果たします。
 

2. 開業届の提出

 市町村の保健所に、整骨院の開業届を提出する必要があります。
 開業届には、施設の所在地、施術管理者の情報、施設の規模や設備などの詳細が記載されます。
 

3. 施設の検査

 開業届を提出した後、保健所から施設の検査が行われます。
 施設の衛生状態や設備、施術管理者の資格などが適切に準備されているかを確認します。
 

4. 開業許可の取得

 施設の検査が無事に終了し、必要な基準を満たしている場合、整骨院としての許可が下ります。許可が下りた後、正式に整骨院としての営業を開始することができます。
 

5. 定期的な報告や更新

 整骨院としての営業を継続するためには、定期的な報告や許可の更新が必要となる場合があります。
 保健所の指示や要請に応じて、適切な手続きを行いましょう。
 整骨院の開業に関する申請手続きは、患者の安全を守るための重要なステップです。手続きの内容や流れは、地域や時期によって異なる場合があるため、事前に詳しく確認しておくことをおすすめします。
 

6. 療養費請求方法の選定

 療養費の請求方法を選ぶ際には、患者との円滑なコミュニケーションと効率的な手続きを両立させることが重要です。以下に、療養費請求方法の選定におけるポイントを説明します。
 
1. 個別請求
 患者ごとに療養費を請求する方法です。正確な金額を提示し、患者の納得を得やすいですが、手間がかかる場合があります。
 
2. 一括請求
 一定期間ごとにまとめて請求する方法です。請求書の発行回数が少なくて済み、効率的ですが、患者への説明が必要です。
 
3. オンライン請求
 ウェブサイトやアプリを通じて療養費を請求する方法です。患者の便益性が高く、手続きの簡素化が期待できます。
 
4. 保険請求との統合
 保険会社との提携により、療養費を保険請求と同時に行う方法です。患者の負担を軽減し、スムーズな手続きが可能です。
 
 最適な方法は、開業する整骨院の業務スタイルや患者のニーズに合わせて選ぶことが大切です。透明性を保ち、患者の信頼を築きながら効率的な請求方法を採用しましょう。
 
 

柔道整復師として整骨院開業にあたっての整骨院の広告と宣伝の基本原則と戦略の立て方

 効果的な広告と宣伝は、整骨院の知名度向上や新規患者の獲得に貢献します。以下に、整骨院の広告・宣伝戦略のポイントを説明します。
 

1. 開業する整骨院のターゲット顧客の特定

 どの層にアピールするかを明確にし、ターゲット顧客のニーズや興味を理解します。
 

2. オンラインプレゼンスの構築

 ホームページやソーシャルメディアを活用し、院の情報や特典を発信。専用のウェブサイトを設計して信頼感を高めましょう。
 

3. 口コミの活用

 患者の声や体験談を積極的に取り入れ、院の評判を高める。良い口コミが広がることで信頼感がアップします。
 

4. 地域密着のアプローチ

 地域イベントへの参加や地域新聞への広告掲載など、地域とのつながりを強化。
 

5. 無料体験やキャンペーン

 新規患者を引き込むための無料体験施術や初回割引キャンペーンを実施。
 

6. 教育的なコンテンツ

 ブログや動画で、健康情報や予防法を提供。専門知識を発信することで信頼性を高めます。
 

7. プロモーションの多様化

 チラシ、ポスター、メールマガジン、オンライン広告など、複数のプロモーション手段を組み合わせる。
 

8. 効果の測定と改善

 広告戦略の成果を定期的に評価し、効果の高い手法を継続、改善していく。
 整骨院の広告・宣伝戦略は、院の特性や目標に合わせてカスタマイズすることが重要です。地道な努力とクリエイティブなアプローチを組み合わせ、成果を上げるための戦略を進めましょう。
 
 

開業にあたっての保険知識の習得・スタッフ教育・人材採用

 保険知識の習得、スタッフの教育、そして適切な人材の採用は、柔道整復師として、開業する整骨院の運営と患者満足度向上に欠かせない要素です。以下にそれぞれのポイントを説明します。
 

1. 保険知識の習得

 保険請求や健康保険の適用などの知識を持つことは、患者の負担軽減と信頼感の向上につながります。従業員が保険の仕組みを理解し、患者に適切なアドバイスができるよう教育しましょう。
 

2. スタッフ教育

 スタッフには、専門知識だけでなく、接客スキルやコミュニケーション能力も求められます。定期的な研修やトレーニングを通じて、スタッフのスキル向上を図り、質の高いサービスを提供しましょう。
 

3. 人材採用

 適切な人材を採用することは、整骨院の品質と評判を左右します。専門的な知識や技術だけでなく、コミュニケーション能力やチームワークも重要です。求人広告や面接を通じて、適切な人材を選定しましょう。
 
 これらの要素は、整骨院のプロフェッショナリズムと信頼性を高めるために欠かせません。スタッフが十分に教育され、質の高いサービスを提供できる環境を整えることが、患者の満足度向上につながります。
 
 

開業を成功させるためには?

 整骨院の開業を成功させるには、計画的な準備と継続的な努力が必要です。以下に、開業成功のための鍵をまとめます。
 

1. 開業に対する熱意と情熱

 自身の専門知識と情熱をもって事業に取り組むことが大切です。患者への真摯な対応が信頼を築きます。
 

2. 徹底した事前準備

 市場調査や競合分析を行い、うまくいってる院の調査、ターゲット顧客のニーズを理解。ビジネスプランを練り、リスクを軽減するための対策を練りましょう。
 

3. プロモーションと広告

 効果的な広告とプロモーション活動を通じて、知名度を高め新規患者を獲得します。オンラインプレゼンスも大切です。
 

4. 質の高いサービス提供

 専門知識だけでなく、患者の声に耳を傾けて最適なケアを提供することが大切。患者満足度を高める努力を惜しまないでください。
 

5. 資金計画と効率的な運営

 開業前に資金計画をしっかり立て、開業後の適切な資金繰りを確保。効率的な運営を心掛け、コスト削減や効率改善を進めましょう。
 

6. スタッフの育成と教育

 スタッフの育成と教育に力を入れ、高品質な医療サービスを提供できる体制を整えましょう。
 

7. フィードバックと改善

 開業後も患者からのフィードバックを受けて、改善点を見つける努力を継続。進化する状況に適応しましょう。
 
 開業成功は簡単ではありませんが、計画的な準備と継続的な努力によって実現可能です。自身のビジョンを持ち、患者との信頼関係を築きながら、事業を築いていきましょう。
 
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