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2010/12/20

医療職種の役割分担 「検討の場、設置を」

2009年3月23日 医道審 8年ぶり開催

厚生労働省は18日、医道審議会を開いた。医道審を開くのは2001年の初会合以来2回目で、昨年から薬剤師分科会が加わり8分科会となった。会長には金澤一郎・日本学術会議会長を選出した。

同日は、医師と看護職員の役割分担について構成員から意見が集中した。相川直樹・慶応大医学部教授は「将来的には診断・治療行為について、医師が行う行為 とそのほかの職種が行うべき行為を柔軟に考えていくべきではないか」と指摘。米国でのナースプラクティショナー(NP)制度を紹介し「医師が忙しいからで はなく、各職種で能力のある人が仕事をしていくということだ」と話した。小川秀興・学校法人順天堂理事長も「少ない数の医師に莫大な業務がのしかかってい る。そのうちのいくつかは看護師が担うといった多彩な議論がなされるべきだ」と主張した。

金澤会長は「この問題はきちんと議論したほうがいい」と話し、医師と他職種の役割分担や看護師の裁量権拡大について検討の場を設置すべきとした。

一方、井部俊子・聖路加看護大学長は「看護師の裁量権拡大への抵抗は大きい。聖路加看護大も(NP養成を)始めようとしているが、保健師助産師看護師法改 正の道のりは険しい」と述べた上で、「裁量権の拡大も必要だが、それによって看護師不足が生じてはならない」と慎重な姿勢を見せた。久常節子・日本看護協 会長は「看護職は介護職との役割分担も課題。ほかの職種も含め、全体としてどう役割分担を図るか検討する場は必要だろう」と話した。

医政局看護課の野村陽子課長は「約130万人すべての看護職員が裁量権の拡大などに入っていけるのかという問題もある。どのような体制で進めていけるかは検討が必要だ」と話した。

8分科会の活動状況など報告 厚労省

厚労省は同日の会合で、分科会の活動状況などを報告した。医道審は現在、<1>医道分科会<2>医師分科会<3>歯科医師分科会<4>保健師助産師 看護 師分科会<5>理学療法士作業療法士分科会<6>あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師分科会<7>薬剤師分科会<8>死体解剖資格審 査分科会-の8分科会を設置。各職種の分科会には、国家試験改善や国試出題基準改定、臨床研修などの部会が設置されている。

これまで医師分科会には「医師臨床研修検討部会」と「医師臨床研修部会」が設置されていたが、新医師臨床研修制度の創設について検討していた医師臨床研修検討部会は臨床研修部会に統合する。

厚労省は、2月にまとまった「臨床研修制度のあり方等に関する検討会」報告書など臨床研修制度の検討状況についても報告した。